あなたのための勃起対策委員会
あなたが勃起するか否か？世界中がそれを見守っています。世界中の人があなたの性的欲求が満たされているか、オーガズムを得られるか否かに関して多大な関心を払っています。
あなたのための勃起対策委員会が設立されています。世界中の人々がこの委員に入りたいと切望しています。委員長になることは、最大の立身出世で、憧れの的です。
皆があなたの為に真剣に討議しています。沢山の政治家が、医者が、経営者が、科学者が、活動家があなたの勃起について考えています。予算は豊潤にあります。世論はあなたの味方です。あなたの勃起の味方なのです。
忘れないで下さい！あなたは、けっして一人ではないということを！
あなたは、ズボンのチャックをおろしてペニスを引っ張りだします。世界中のチアリーダーがあなたを応援します。チアリーダーは、13歳から53歳までの様々な人種の女性で構成されています。彼女たちがあなたの勃起を応援しています。世界の正義がかかっているのだから。
あなたの前のノートPCではポルノが再生されています。若い女性が、あえいでいます。あなたは、ペニスをしごき始めます。チアリーダーたちが、ミニスカートでポンポンを振ります。あなたを応援します。あなたの戦いを応援しています。
あなたは、勃起しません。チアリーダーたちは、より一層身をいれて頑張っています。人類への献身の為にです。あなたが勃起できるようにと、彼女たちは何よりもそれを気にかけているのです。そうです、それは人類のフェアネスに関わることですから。彼女たちは、血も滲むような努力でチアを習得しています。労働や友人や家族との関係をも犠牲にしています。正義に関わる熱意に動かされてのことです。
あなたは、一生懸命にペニスをしごいています。
忘れないで下さい！あなたを傷つけるばかりが女性ではないことを！
あなたは、勃起しない。だから、別の動画に移ります。別の動画に、別の動画に、別の動画に…もっと、強い刺激が必要な段階かもしれません。もっと何か特殊なものが…
男性チアリーダーだって待機しています。13歳から53歳まで様々な人種の男性で構成されています。これは世界でもあまり知られたことではありません。でも、彼らは待機しているのです。全てはあなたの勃起のためにです。さらに知られていないことですが、男で女でもない人たちのチアリーダーも存在しています。抜かりはありません。あなたのためにです。あなたの勃起のためにです。
あなたが望むなら、密やかに13歳以下、53歳以上のチアリーダーたちが集結させられるでしょう。あらゆる身体の状態の人々を集結させます。外ならぬあなたの勃起のためですから！
あなたは、動画から、動画に飛び回りますが、勃起しません。あなたはとってもムラムラしているにも関わらず。今日はビールを飲みすぎたのでしょう。いらいらして、あなたは自分の頬を自分でひっぱたく。あなたは、勃起しません。
忘れないでください！あなたを愛するたくさんの人たちがいることを！
あなたは、同僚の女性を食事に誘えれば、と考えています。彼女はいつも笑顔でいます。彼女はまあまあ魅力的で、ちょっと楽しい気分にしてくれます。食事に誘いたい、そして、できればセックスしたい、と考えています。恋をしている訳ではないが、恋をしてもいいかもしれない。彼女の感じさえよければ、恋ができるかもしれない。
あなたは、彼女の裸を想像する。どんな風な媚態を示すか想像してみる。ペニスに血が充血していく予感がある。だが、完璧にではない。
この時、世界中の兄弟たち、あなたを理解するすべての男たち、ヘテロセクシャルの善男たちがあなたを応援しています。行くんだ！行くんだ！攻めるんだ！お前の権利を勝ち取るんだ、と彼らはエールを送っています。喉が裂けんばかりに叫んでいます。それは、ワールドカップを応援するよりもっと熱がはいった応援なのです。
あなたは彼女との雑談の最中、緊張を覚えながら、彼女と交渉します。今日の夜にちょっと酒でものまないか、と。
世界中の兄弟たち、あなたを理解するすべての男たち、ヘテロセクシャルの善男たち、彼らは、固唾をのんで見守っています。拳をにぎりしめて。彼らはあなたの為に、雄々しい歌を歌います。完璧なユニゾン。正義の為の歌です。
彼女は、今日は用事がある、と答えます。そして、返事を聞きもせずに、あ、ちょっともうこんな時間、とかなんとか言いながらあなたから離れて行く。
あなたは落胆します。男たちの怒声が飛び交い、拳が振り上げられる。あなたになされた不正に、男たちは思わず涙を流しそうになる。その瞳は潤んでいる。男たちは彼女を罵ります。恐ろしい不正義がまかり通る世界に、怒りの声を上げます。誰も、あなたを馬鹿になんてしません。兄弟たちは、自分の武勇伝を聞かせて、あなたを侮辱したりはしないのです。
忘れないで下さい！あなたの同胞があなたを尊重していることを！
忘れないで下さい！あなたは、けっして一人ではないということを！
